2014年5月8日木曜日

そもそも4K映像って何?


水平方向(長辺)に約4,000pixels の解像度を持つ映像の総称。

垂直方向(短辺)の解像度(約2,000pixels)を加えて「4K2K」とも呼ばれますが、世の中の認知度が高まるにつれて最近ではシンプルに「4K」と表すことが増えているようです。テレビ放送向けの「4K UHDTV」(3,840×2,160pixels)や映画向けの「DCI 4K」(4,096×2,160pixels)などの規格があります。

4K UHDTV の場合、Full HD(1,920×1,080pixels)の丁度4倍の画素数になりますが、4Kの「4」はあくまでも4,000pixels の「4」。「Full HD の4倍」という意味ではありません。ちなみに2020年の東京オリンピックに向けて導入が検討されている「8K」も、水平方向の解像度に基づくネーミング。8K  UHDTV の場合、画素数は「Full HD の8倍」ではなく16倍です。



4K UHDTVの解像度



ちょっと話は逸れますが、「pixel 」(ピクセル)と 「dot 」(ドット)の違いはご存じでしょうか?

pixel は日本語で「画素」。デジタルデバイス上で画像や映像を扱う際の最小構成単位で、ひとつひとつに色調や階調の情報が含まれています。対して dot は単なる「点」。本来は印刷物上の画像などを構成する、色調や階調の情報を持たない物理的な点のことを指します。

この2つは往々にして似たような意味合いで使われますが、できれば意識して使い分けるようにして下さい。

デジタルの画像や映像を構成しているのは dot ではなく pixel です(dot と呼んでいいのはモノクロ2階調の場合のみ)。液晶テレビの画面やデジタルカメラのイメージセンサーを構成しているのも pixel 。なので、4K UHDTV の水平解像度は「3,840 pixels 」であって「3,840 dots 」ではありません。デジタルカメラのセンサーも「24MP」と表すことはあっても「24MD」とは言いません。

これに対して、印刷された画像や写真のフィルムは多くの場合 dot で構成されています。pixel が整然と縦横に並んでいるのに対し、dot は密集したり離れたりすることで色調や階調を作り出します。例えばデジタル画像を印刷する時、元のデータの1つの pixel の色や明るさを表現するために、数個~数十個の dot が使われたりします。すなわち「1pixel ≠ 1dot 」 ということです。

こうしてみると pixel と dot は完全に別物で、それなりに正しく使い分けられているようにも見えるのですが、これが物理的な解像度を示す単位「ppi (pixels per inch)」と「dpi (dots per inch)」の話になるとちょっと事情が変わってきます。

本来なら ppi を使うべき場面の多くで慣用的に dpi が使われているのです。

この混用、デジタルデバイスの中だけで完結している分にはそれほど問題はないのですが、例えばデジタル画像を印刷したり、テレビ画面の解像度と印刷物の解像度を比較するような場面では、使っている単位は同じなのに元になる尺度が全く異なることで、余計な勘違いや決定的な間違いを生み出す恐れがあります。

この先、4Kや8Kが身近になるにつれて、テレビ画面のリアリティを印刷物に例えるような表現が増えて来ると思います。そんな時に尺度の異なる数字の比較に騙されたり、逆に誰かを騙してしまわないように、pixel と dot の違いは日頃から明確に意識するようにしておきましょう。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿